2008年09月04日

天野節子さん ヒットの理由は「天涯孤独」

天野節子さん ヒットの理由は「天涯孤独」
2008年8月9日(土)10時0分配信 日刊ゲンダイ

●「氷の華

 専業主婦の恭子は夫の子供を身ごもったという不倫相手を毒殺する。だが何日過ぎても被害者が妊娠していたことが報道されない。殺したのは本当に愛人だったのか。恭子は殺害した女の正体を探り始める……。


●出版社倒産でどん底を味わい60歳で作家デビュー

「60歳までに何かを書こう」と一念発起。紆余曲折を経て小説を書き上げテレビドラマ化まで決まった新人作家がいる。「氷の華」(幻冬舎)の著者、天野節子氏(62)である。

 天野氏は幼稚園教師を経て現在は玩具メーカーに勤務している。高校時代、松本清張の「眼の壁」を読んでからずっとミステリーファン。50代半ばで「私も」と小説を書き始め、4年間かけて「氷の華」を完成。松本清張賞などに応募するも落選を繰り返し、最後に選んだのが自費出版だった。06年春、出版社に100万円単位の制作費を払い、あとは製本を待つだけというところまでこぎつけた。ところが完成前に出版社が倒産。本はできず、カネも戻らないという絶望を味わう。

 だが諦めなかった。自費出版の幻冬舎ルネッサンスから声がかかり、悩んだ末に再度出版を決意。費用はローンを組み、06年9月に本は完成した。

 ここから快進撃が始まる。同作が幻冬舎の見城徹社長の目にとまり、07年3月単行本として出版。2万部を売り、今年6月に文庫本化するや、30万部のヒットに。さらに今年9月にはテレビ朝日開局50周年記念ドラマとして放送される。主演は米倉涼子だ。

 幻冬舎の担当編集者、君和田麻子さんが言う。

「天野さんは20代でご両親とお姉さんを亡くして天涯孤独。そのため、ひとりで生きるということを意識し、自分に何ができるかと自問して小説を書き始めたそうです。日本語の奇麗な表現にこだわる方で、直しも上手。“女性はそこまで夫に惚れ込むでしょうか?”と意見すると、すぐに説得力十分の内容に書き直してくれました。会社から帰り、夕食後の小説を書く時間が至福のときだとおっしゃっています」

 60歳を目指して書き始めた実行力に、50代、60代の男性から「勇気をもらった」「私も何か始めてみたい」というはがきが届いているという。

「天野さんはいま2作目を書いています。目標は年内の出版です」(君和田さん)

 直しを含めて1万枚分の原稿を書き、夢を実現させた天野氏。サラリーマンも見習って奮起したいものだ。

(日刊ゲンダイ2008年8月6日掲載)



posted by ぴかまま at 13:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米倉涼子「氷の華」
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