2007年12月10日

<特集>大ヒット「もやしもん」 カワイイ「菌」が心をかもす

<特集>大ヒット「もやしもん」 カワイイ「菌」が心をかもす
12月9日12時21分配信 毎日新聞

もやしもん」に登場する100種類以上のかわいい「菌」たち(c)石川雅之・講談社/もやしもん製作委員会

 目には見えない極小の「菌」が見え、言葉が交わせる農大生とさまざま個性を持った菌やウイルスが繰り広げるドタバタ劇を描いた石川雅之さんのマンガ「もやしもん」。「かもすぞ!」と叫ぶカワイイ菌たちが評判となり、コミックスも売り切れが続出、10月からフジテレビのアニメ枠「ノイタミナ」で放送が始まったアニメも好調だ。女性たちの心を「かもす」世界初?の“菌マンガ”の魅力とは……。【河村成浩】

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■「菌」を巡る大学生活

 「もやしもん」の主人公の沢木惣右衛門直保は、酒造などで発酵に必要な麹(こうじ)を作る元となる種麹(たねこうじ)を扱う通称「もやし屋」の老舗の息子。幼いころから、菌と話せる特殊な力を持っていた直保は、造り酒屋の息子で、幼なじみの結城蛍と農大に進学する。祖父の紹介で、菌について語り出すとうんちくが止まらない樹慶蔵教授と出会う。なぜか白衣の下にボンデージファッションというセクシーな大学院生・長谷川遥や元ミス農大で唯一の樹ゼミ生・武藤葵ら先輩たちに、除菌マニアの同級生・及川葉月らちょっと変わった人々が樹研究室に集まって来る。

 直保は、水虫に悩む遥の秘密を見抜いたり、新入生オリエンテーションで出された畜産科のサラダに食中毒の元となる「O|157」を発見したり、学内での酒の密造を企て、失敗する先輩と知り合ったりと、「菌」や「発酵」をめぐるさまざまな騒動に巻き込まれていく。


 「もやしもん」の一方の主役は「菌」だ。石川さんが顕微鏡写真を見てデフォルメした菌は、まるで何かのマスコットキャラのように可愛らしい。直保の実家から付いてきて、いつも肩に乗っているのは、麹をつくる黄麹菌「A・オリゼー」。ほかにも納豆菌の「ナットー」や乳酸菌「L・ヨグルティ」、抗生物質の材料として知られる青カビの「P・クリソゲヌム」、クーラーの奥などにいる黒カビ「C・トリコイデス」など日常生活と切り離せない菌たちが続々登場する。さらに、筋を無力化して、薬品や生物兵器としても使われるボツリヌス菌「ボツリナム」や、オリゼーにそっくりで、カビ毒の一種「アフラトキシン」を作り出す「フラブス」など変わった菌も現れ、健康や生活と菌との関係を分かりやすく解説しながら物語が進んでいく。

■「のだめ」にも登場

 「イブニング」(講談社)で「もやしもん」の連載が始まったのは04年8月。元々、大阪府立大農学部の近くに住んでいた石川さんが、世間話から「見に行ってみよう」と盛り上がったのがきっかけという。石川さんは「菌の知識が全くなく、連載を始めてから勉強したもので、付け焼き刃っス」と謙そんするが、いまでは学会のシンポジウムで講演をするまでになった。「もやしもん」はコミックス2巻が出た05年秋ごろから、書店員や関係者などマンガのプロの注目を集め始めたという。

 そんな中、大ヒットした二ノ宮知子さんの「のだめカンタービレ」(Kiss)で、のだめが作ったカレーの中や汚れた部屋に可愛い菌たちが登場して話題となった。寺沢大介さんの「喰いタン」ややぶうちゆうきさんの「警視正 椎名啓介」など同じイブニングの他作品に“ゲスト出演”し、兄弟誌の「アフタヌーン」には出張マンガが掲載された。ライバル誌であるスクウェア・エニックスの「ヤングガンガン」に出張するサプライズ企画まであり、06年末ごろから人気も急上昇。1〜5巻累計175万部を売り上げ、売り切れる店が続出しているという。

■「ALWAYS」の白組が描く

 「菌」の可愛さが「女性にも受けるのでは」と目を付け、「のだめカンタービレ」「働きマン」などの女性をターゲットにした作品を次々に放送しているフジテレビの木曜日深夜0時45分のアニメ枠「ノイタミナ」でのアニメ化が決まった。

 制作は、劇場版「ルパン三世 カリオストロの城」などを手掛けた「テレコム・アニメーションフィルム」。「菌」の描写は、「ALWAYS 三丁目の夕日」で昭和30年代の東京をCGで見事に再現したことで知られる制作会社「白組」が担当した。

 白組の八木竜一CG監督は菌の表現で、石川さんから菌の目の位置や影の色などの細かい指示や、東京農大の助言を受けて、菌の特徴を学んだ。「青カビはゆっくり動くので『P・クリソゲヌム』は手足をゆっくり動かす」などと菌の動きをつけていった。

 八木監督は「菌は数が多いので、その量を表現するときにCGの方が向いているんです。もし手で書いていたら2、3年かかりますよ」と語る。密造酒のエピソードで、酒造の大敵となる「火落ち菌」が無数に舞うシーンで、一粒一粒がさまざまな動きを見せ、テレコムの矢野雄一郎監督も「何という作品にかかわったのかと思った。手描きじゃなくて良かった」というほどだ。

 さらにオープニングも「ALWAYS…」でアカデミー賞を受賞した白組の山崎貴監督が、直保から見た「菌の見える」世界を実写とCGで映像化。クオリティーの高さに驚く。そして、菌のうんちくは、番組の最後に流される1分間のオマケアニメ「菌劇場」で、菌自身が登場して解説。黒カビのトリコイデス役にお笑い芸人のムーディ勝山さん、ヨグルティ役にグラビアアイドルの仲村みうさんを起用するなど菌のキャストもユニークだ。

 全11話の制作ほぼ終え、矢野監督は「原作の密度がすごいので、4クール(52話)をやったような精神的疲労感がある」と満足そうに語り、「11話全部見て欲しいけれど、7、8話の『春祭』は絶対に見逃さないで」と語る。その自信を物語るように、10月11日放送の第1話の視聴率は、「のだめ」に次ぐ同枠史上2位の4・9%。2話では5・3%を記録、同時間帯での占拠率も24・3%で、2%で合格点と言われる深夜アニメとしては好調な滑り出しとなった。

 ◇ ◇

 「もやしもん」の登場で、嫌われ者の「菌」たちが、必要性や意外な個性を可愛く語りながら、“繁殖”を続けている。日常品に「除菌」の文字が付いている現代の日本を、まだまだ「かもし」ていきそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071209-00000007-maiall-ent



タグ:もやしもん
posted by ぴかまま at 03:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | エンターテイメント
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